断熱層の場所 ≒ 気密層の場所???

気密測定事例の紹介ページで「断熱層の場所 ≒ 気密層の場所」と書いたのですが、
どうしてそうなるの?
という声が聞こえてくるような気がしたので少し説明することにしました。

今は冬。
あなたは冬の寒空の下へ出ていこうとしています。

かなり冷えるのであなたは上着を着ることにしました。
さて何を着ましょうか・・・。

そんなあなたの手元には「ダウンジャケット」。
名前の通りダウンが生地のなかにいっぱい詰められたジャケットです。すごくあったかいですよね。

このダウンジャケットを着てあなたは外へと出ていきました。

ダウンジャケットを着ている人

しばらく歩いているとだんだんと体が暖かくなってきました。
ダウンジャケットを着ていても少し寒かったはずが、今ではちょうどよい暖かさになっています。

そんなあなたは目的の建物にたどり着き、中へと入っていきました。

それまでの寒さが嘘のよう、建物の中は暖房が効いていてとてもあたたかい。

・・・いや、暑い。

とても暑い。。。

すでに温まった体にダウンジャケットまで着ているあなたにとって、建物の中はあたたかいを通り越してむしろ暑いです。
じゃあどうしましょうか。

あなたは着ているダウンジャケットのファスナーを下げて服の前を開けます。
ダウンジャケットの裾をパタパタと仰いで服の中に風を送り込むと、少し涼しい空気が服の内側を通り抜けました。

少し火照った体にはその涼風が心地よく、あなたが感じていた暑さもだんだんとおさまっていきました。

・・・

何が言いたいかわかりましたか。

いや、決してふざけてるわけではありませんので怒らないでください💦

つまり私が言いたかったのは、

「ダウンジャケットのファスナーを開けて服の内側に風を送りこんだら涼しくなった」
ということは、
「断熱層の内側に冷たい空気を取り入れて断熱の効果を打ち消した
ということ。

服ならそれでいいんです。
同じ季節でも屋内と屋外で温度がかなり変わるのでそれにすぐ対応する必要がありますから、ときには断熱の効果を打ち消すことも必要だったりします。

でも建物は?
当たり前ですが、建物の外はすべて屋外です。

屋外の温度は「寒いときは寒い、暑いときは暑い」。
外の温度が0℃から急に25℃になったりはしません。
それならせっかくお金をかけて入れた断熱材の効果を打ち消す意味ってありますか。
ないですよねー。

冬の場合、
断熱層から離れた内側に気密層があれば、断熱層の内側まで冷たい外気が入り込み
断熱層から離れた外側に気密層があれば、断熱層の外側まで屋内の温まった空気が逃げてしまいます。

ということで、こんなことになるとすごくもったいないので、
建物では基本的に「断熱層の場所 ≒ 気密層の場所」になるのです。
(もちろん何事にも例外はありますけどね。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA