京都府向日市内での気密測定(完了検査)

京都府向日市内 気密測定(2023年10月17日)

「一週間後に気密測定をお願いします。」

ある日いきなり飛び込んできた京都府向日市内での気密測定依頼。
私はまだ結構ひまなのでいつでも準備万端ですよー。

ということで二つ返事でOKを出しました(笑)

まず確認するのがこれ。
「断熱は天井・床断熱ですか?」

特殊な場合を除いて「断熱層の場所 ≒ 気密層の場所」となるので、実はこの質問は気密層の場所の確認のための質問だったりします。

ですが戸建住宅のオーナーさんはもちろん工事側の方も、「気密層の場所・・・なにそれ?」というのが結構多いんですよ。
気密って本当にまだ浸透してないですねー😇
ということでまず私は最初に断熱層の場所を質問するようにしています。

たいていは「断熱は天井・床断熱ですか?」と聞くと、
「そうですよ。」
と返事が返ってくるのですが、今回は違ったようです。

「断熱は屋根・床断熱です。」

ということでした。

これは関西とかの温暖な地域(気候区分でいうと5または6地域)の戸建住宅では結構珍しいパターン。

そんなものなの?と思った温暖な地域に住んでいるそこのあなた! そう、あなたですよ。
あなたの住んでいる家は十中八九、天井・床断熱のはず!

・・・と自信ありげにいうのは占いでもなんでもありません(笑)

そんなものなの?と思うということは自分の住んでいる家の性能を知らない人のはず。
そして日本の温暖な地域では建物性能に力を入れた住宅でなければほぼほぼ天井・床断熱。

つまり、
「そんなものなの?と思った人」の家は
「ほぼほぼ天井・床断熱」だという確率が高いというだけです。

結局何が言いたいかというと、日本の温暖な地域の家はたいてい天井・床断熱なんです、ということ。
気になった方は自分の家を調べてみてください。

ということですが、今回は屋根断熱ということで普段とは違いました。

天井断熱のときと気密的には何が違うかというと、屋根裏空間も気密層の内側になるという点です。
その分だけ気密層内側の容積も増えるので、通常より少し大きな建物の扱いになるというイメージですね。
そして気密層の場所がいつもの違うためチェックするべき場所もいつもと変わってきます。

こういう場合は事前に普段よりもさらにしっかり図面を確認して測定に臨む必要があるんです。

※「断熱層の場所 ≒ 気密層の場所」???

どうして「断熱層の場所 ≒ 気密層の場所」になるの?
という声が聞こえてくるような気がするのでブログで簡単に説明することにしました。

疑問に思ったかたは是非、次のボタンから飛んで読んでみてください。

測定日当日、準備をして測定開始。気密測定器がブォーンという音をとどろかせながら室内から空気を吐き出していきますが、風量のわりに圧力の数値が上がっていきません。

それはつまり、
測定準備が不完全でどこかから漏れている or 気密性能が低い
のどちらか。
さっそく住宅の中を確認して回ることにします。

とはいえ実際はここではないかなと思い当たる場所がありました。
そう、あの 屋根裏空間 です。

こちらの住宅がなぜ珍しい屋根断熱となっているのか、それは屋根裏収納があるからです。
(厳密には屋根断熱の計画だから屋根裏収納をつくったのか、屋根裏収納が欲しいから屋根断熱の計画になったのかはわかりません。)

屋根裏収納へのはしごを上がり、屋根裏収納と屋根裏空間のあいだの点検口を確認します。
(屋根裏収納の周りをロの字に屋根裏空間が取り囲んでいる構造です。測定中にこの点検口はもちろん、屋根裏収納への収納式はしごも開けたままにします。)

・・・やっぱり

明らかに点検口から空気が吹き込んできています。
悲しいですが、これは屋根の気密がとれていないということです💦

立ち会っていただいた工務店のかたに確認すると、普段は天井・床断熱仕様の住宅を建てているとのこと。
今回は完了検査で家はもう仕上がっているので漏気の疑いがある箇所に直接アクセスできず原因の特定はできませんでした。

残念ですが事実は事実。
立ち合いの方にこの事実をお伝えしするのも私の仕事です。

「残念ですが、屋根の気密がとれていません・・・。」

私が家の中を回りながら悩んでいる様子だったのでもう察していらっしゃったのかもしれません。

「そうですか・・・。」

少し悲しげな表情には見えましたが、すぐ顔をあげて今回の気密測定の機会を生かすための話をはじめました。

そして決まった話は、今回は参考値として収納はしごを収納した状態でその四周をテーピングしたC値を測定するというもの。

今回は屋根裏収納がある関係で屋根断熱でしたが、今後同じ仕様で天井断熱の家を建てる場合の気密性能の参考とするため、天井で気密をとった状態に近いものを再現することにしました。

そうして出てきたC値はなんと0.9、かなり高水準です。
つまり屋根以外の外壁や床はばっちり気密がとれているということですね。

今回天井の気密については全く配慮していないので、天井の気密はクロスと石膏ボードのみ。
普段の天井断熱仕様のときよりも天井は漏れやすいはず。
ということは今後同じ仕様で天井断熱とした場合にC値0.9以下にはなるはずで、なんならもっと良い数値になるだろうという期待が持てます。

今回は最終的に測定結果は参考値という扱いになりましたが、今後に希望の持てる結果となりました。

今回のような場合でも、少しでも依頼していただいたお客様のお役に立てるようなことを考えて対応することもできます。
家の気密に関してや気密測定のご相談はUMINOHIまで!