大阪府八尾市内での気密測定
大阪府八尾市内 気密測定(2023年8月10日)
今回もオーナー様からの直接のお問い合わせがあり、完了検査を行うこととなりました。
測定するお宅は住宅性能を売りにしているハウスメーカーが建てたお宅で、今回は測定する前から高い数値が出ることが期待できます。
測定当日は少し風の強い日となりました。
気密測定にとっては雨よりもなによりも、風が強いことが一番の敵となります。気密測定中に強い風を受けるとその風圧で室内外の圧力差が大きく変動してしまい、測定が不安定になり測定結果も信頼度の低いものとなってしまうためです。
風が強い日に測定が可能かどうかの判断基準というものがJIS規格に規定されており、その基準範囲外の場合はその日の気密測定をあきらめなければならないこともあります。
今回はJIS規格の基準値内になんとか収まっていたので測定を行うことができました。
それでも風により測定値は安定しづらくなっているため、風による影響を極力減らすような設定をしたうえで測定に臨みました。
結果はC値で0.6。この数値は非常に高気密な住宅だと言えます。
これくらいの数値の住宅となってくると指摘するほどのすきまも少なくなってくるのですが、今回気になったのはビルトインガレージと室内との間の扉の取っ手や鍵廻りでした。
ビルトインガレージというと建物の中にガレージがあるかたちになるので、ビルトインガレージと室内との間の扉は室内扉という認識の方もいるかと思いますが、基本的にはガレージのシャッターの気密がとれないのでビルトインガレージは気密ラインの外側に設定されているケースがほとんどです。つまりこの扉は気密の観点からすると屋外扉になります。
通常の玄関扉や勝手口の扉と比べて明らかにこの扉の取っ手や鍵廻りは漏気しているので、使用されている扉自体があまり気密性能が良い製品ではないと考えられます。
鍵廻りにシールはうてないので仕方ないですが今回はそのままにするしかありません。
上で書いたように、ビルトインガレージと室内との間の扉を室内扉と認識している方が建築関係者でもおられますが、気密の観点では屋外扉であることがほとんどです。
特にビルトインガレージとの間を隔てる扉になりますので、こちらの気密性能が低い場合は室内に排気ガスが入り込んでくる恐れもあります。
正直なところ扉1枚の気密性能が多少低くても建物全体の気密性能の数値(C値)への影響はあまり大きくなく、費用を抑えるためにも軽視されがちなのかもしれません。
ただ、ビルトインガレージは排気ガスが充満する可能性もある空間です。換気がうまく動いておらず、扉の気密性能も低いとなると排気ガスは室内に入りこんできてもおかしくありません。
車が出入りするときに必ず換気がオンになるようなシステムや、24時間換気するシステム(ただしほぼほぼ無駄に換気が動いていることを許容することになります)となっているのであればあまり恐れる必要はないかもしれませんが、果たしてそのような設計になっているでしょうか?
私の個人的な意見にはなりますが、ビルトインガレージと室内との間の扉は気密性能の高いものを付けることをおすすめします。