椅子の塗り替え
以前にKartell(カルテル)のマスターズスツールの脚のカット依頼をしていただいた方からの別のご依頼です。
今回はYチェアと呼ばれる有名なデザインの椅子のリプロダクト品でクリア塗装が施されたものでしたが(多分ウレタン塗装)、その色を黒色に塗り替えてほしいということでした。
Yチェアは座面がペーパーコードと呼ばれる、いわゆる樹脂を浸透させて撚り合わせた紙紐でできており、そちらの部分の色については現状のままとしてできる限りそのペーパーコードギリギリの部分までを黒色に塗装することになりました。
まずは電動工具を使用して荒く元のクリア塗装を削り落としましたが、木の接合部分が多めで電動工具が入らずうまく削れない箇所が想定よりも多かったため、途中からそういった箇所には塗装剥離剤を用いることにしました。
塗装剥離剤とは言いますが、塗ればきれいさっぱり塗装が剥がれて元の無垢材に戻るというものでもありませんので、ある程度剥がした後は電動工具で荒く削った部分を含めて椅子全体を手作業で研磨して塗装を落としていくことになります。
全ての塗装を剥がし終えたら、塗装をしないペーパーコードに色がついては絶対にいけないのでマスキングテープやマスカ等を使用して厳重に養生を行ってから黒色の着色剤で木自体を着色し、サンディングシーラーを塗ってから研磨することで凹凸をなくし、仕上げのニスを塗って仕上げました。
ちなみに割愛していますが、塗装の各工程は2~3回ほど繰り返しています。
Garrely
作業手順
電動工具による塗装剥がし → 塗装剥離剤による塗装剥がし → 手作業による研磨 → 養生 → 黒色着色 → サンディングシーラー塗装 → ニス塗装 → つや消し仕上げ
費用
11,000円※
※今回は安く見積もりすぎたため、次に同様の依頼があった場合は15,000円にはなるかと思います。