椅子のスチール製脚のカット

HPに載せている椅子の脚カットの事例を見ていただき、お問い合わせをいただきました。

今回は、Calligaris(カリガリス)というイタリアの家具ブランドのSAINT TROPEZ(サントロペ)という椅子の脚カットのご依頼。
懸念点は椅子の脚がスチール製であるということ。金属のカット自体は技術的には可能ですが、普段から金属製品を扱っているわけではないのでお請けできるかどうかの判断には慎重になりましたが、ご提供いただいた写真を見る限りは今回切断する箇所は基本的に丸パイプの切断と技術的には変わらないようだったので、切断可能と判断しご依頼をお請けすることにしました。

やはり海外の家具ブランドの椅子ということで座面の設定が高く、座面高さは公称です。

ざっくりした目安ですが、椅子の座面高さは座る方の身長の1/4と言われています。つまり日本の座面高さは身長160cmくらい、今回のご依頼の椅子は身長184cmくらいのかたに合うように設定されているということです。
・・・184cmって高すぎちゃう?(笑)

ご依頼主からは奥様に合わせて約10cm分の脚をカットしてほしいと当初お聞きしましたので、上記した座面高さの目安のお話をし、最終的には8cmカットという依頼となりました。

脚先についている床の傷つけ防止の部材は今回も再利用をするつもりだったのでできるかぎり丁寧に取り外し、本題のスチール製脚のカットとなります。

椅子の脚のカットで一番気を遣うのは、指定された高さ分の脚を正確にカットすること。
椅子の脚は地面に対して垂直ではなく斜めについていることが多いので、8cmカットといって単純にすべての脚を8cmカットしてしまうと実際の座面高さは数ミリほど高くなってしまいますし、また脚のついている角度も前後で違うため、座った際の座面の角度も少し変わってきてしまいます。

前の椅子の脚カットの事例では、のこぎりを地面と平行に動かせるようにしてカットしたのですが、今回はスチール製ということもあり同様の手法は撮れませんでしたので、脚と地面との角度を正確に測定し、sin、cos、tan(サイン、コサイン、タンジェント)を使って実際に切るべき長さを割り出し、脚のカットを行いました。

切断面は塗装がなくなりサビがでる恐れもあるため、切断面は塗料で塗装して最初に外しておいた床の傷つけ防止部材を付け直してすべての作業が終了となります。

Garally

作業前写真
作業前写真 (全部で4脚のご依頼でした)

Before

After

脚カット前 全景
脚カット前 全景
脚カット後 全景
脚カット後 全景
脚カット前 拡大
脚カット前 拡大
脚カット後 拡大
脚カット後 拡大

作業手順

傷つけ防止部材取り外し → 脚角度を含めた計測 → 研磨 → 塗装 → 傷つけ防止部材取付

費用

1脚当たり 3,800円