BE@RBRICK(ベアブリック)飾り台のオーダーメイド
今回はオーダーメイドのご依頼です。
BE@RBRICK(ベアブリック)というくまのかたちをしたフィギュアシリーズは有名でご存じの方も多くいらっしゃると思います。
・・・私は恥ずかしながら知りませんでした(笑)
検索してみて画像をみたら、あーなんかみたことあるーって感じです。
さまざまなコンテンツやブランド、アーティスト、デザイナーなどとコラボした商品が多数登場し、その販売は限定数量のみで希少性が高く世界中のコレクターがその販売を心待ちにしているようです。
今回は以前から家具のリペア依頼を頂いている方から、このベアブリックを飾るための台を制作してほしいというオーダーがありました。
ご依頼は白色のボックス型の飾り台で、素材は木でもアクリルでもよく、サイズはW350×D300×H400(mm表記)というもの。
・・・大きすぎへん?
そのサイズの飾り台ということは、飾るベアブリックはそれに見合うくらいの大きさということなのか?ということで調べてみるとサイズのラインナップがいくつかあり、一番大きい1000%というサイズのベアブリックはなんとその高さ70センチ。でっか・・・。
なんてびっくりしている場合ではなく、その分かなり重そうだということが予想できたのでお客様に早速ご連絡して重さを確認すると、大体5キロくらいはあるとのこと。
つまり生後2~3カ月の赤ちゃんをのせてもびくともしないくらいの強度は必要ということで、アクリル板でそれを実現しようと思うと結構な厚みが必要なためにかなりの金額になってしまうと考え、今回は木製の飾り台をご提案しました。
その際にお客様が塗装のつやを懸念されていましたので、こちらでそちらの問題についても検討し、最終的につやありのクリアスプレーを吹き付けることもすることにしました。
まずは材料の選定から。
前回の先板の交換時に使用したメラミン化粧板を使用しようかと当初は考えていましたが、ホームセンターでは求めている板厚のものだと板幅が足りず、板幅が足りるものは板厚も厚くなり価格も必要以上に高くなることから、構造用合板で作ったボックスの表面に白色のプリント合板を張り付ける構造とすることで、手間は増えますが値段を抑えつつ強度もしっかり確保できるようにしました。
次に実際に製作というところですが、材料を選定し終えて構造用合板を切り出し加工している最中、お客様からご連絡があり今回のベアブリックに合わせて黒字でネーム入れを施してほしいというお話がありました。
お客様にベースとなるデザインの考えを確認して、文字のデザインやフォント、配置等を変えたデザイン案を5つほど作成してご提案して連絡を重ね、最終的な判断は私に一任していただけるということで話がつきました。
ということで製作の続きですが、すべての材料を切り出して構造用合板を貼り合わせてボックスをつくった後は、ひたすらプリント合板同士の接着面の微調整をするのに尽きます。飾り棚ということなので見た目を重視してプリント合板同士の接着面を斜め45度に切断して貼り合わせますが、プリント合板自体は厚さ3ミリ程度なのでその加工が思ったよりも難しく、結局すべてサンドペーパーで研磨して微調整することになりました。
微調整をすべて完了して構造用合板のボックスの表面に白色のプリント合板を圧着したら、どうしてもすきまが空いてしまった箇所は埋めて部分的に白塗装で補修します。それを終えると、ついにネーム入れの作業です。
まずはデザインしたものを実寸大でプリントアウトします。プリントアウトした紙のネーム部分をカッターで切り抜いていき、それを飾り棚の表面にマスキングテープで貼り付けてその周りを塗装で汚さないよう養生をしたらネーム入れの準備は完了です。
ネーム入れに使用したのはエアブラシ。プラモデルの塗装などに使用されるものですが、家具のリペアに使えないかと以前購入していたものを今回使用し、ネーム部分を切り抜いた紙の上からエアブラシで黒色の塗料を吹き付けていきます。
こうすることで文字の周りにほんの少しだけぼかしが入ったような、筆で文字を入れるのとはまた違った質感となりました。
最後に全体につやありのクリアスプレーを吹き付け、オーダーメイドの飾り棚がついに完成しました。
Garrely



作業手順
材料切り出し → 研磨による微調整 → 接着 → 塗装部分補修 → ネーム入れ → クリアスプレー塗布
費用
11,000円